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産前産後休業中の保険料免除

2013.12.15


産前産後休業期間中の保険料免除が、はじまります。平成26年4月30日以降に産前産後休業が終了となる方が対象となります。産前産後休業は98日間(14週間)ですので、会社としては、年明け以降に休暇の申請を予定している方への周知が必要な時期になってきました。1月以降に日本年金機構から、制度のパンフレットが出ると思いますが、ここでは制度の概要を簡単にまとめておきます。


1. 産前産後休業期間中の社会保険料の免除

対象者:平成26年4月30日以降に産前産後休業が終了する人

制度の概要

産前産後休業期間中の社会保険料が免除されます。

手続き

事業主は、「産前産後休業取得者申出書」を提出する必要があります。

申出書の提出時期

産前産後休業期間中に提出する必要があります。

留意事項

・育児休業期間等と重複した場合は、産前産後休業期間中の保険料免除が優先されます。
・「産前産後休業取得者変更(終了)届」を提出する必要がある場合があります。


この制度が始まることで、これまで育児休業期間中にのみ認められていた社会保険料の免除が、産前産後休業期間中にも適用されるようになり、出産から育児期間中の保険料免除制度が整います。出産費用を補助する出産育児一時金や、妊娠判明後から産後休業の終了までの間で給与が支給されなかった日に対して支給される出産手当金(協会健保は標準報酬日額の3分の2)と合わせて、出産する人を支援する仕組みは、相当程度、整備が進んでいるのではないかと思います。

また、保険料免除制度の他にも新設の制度がありますので、合わせて紹介します。

2. 産前産後休業を終了した際の標準報酬の改定

制度の概要

産前産後休業の終了後に報酬が下がった場合、休業終了後の3か月間の報酬額をもとに、新しい標準報酬月額を決定し、その翌月から改定

対象者
平成26年4月1日以降に産前産後休業が終了する人。但し、引き続き育児休業を開始する場合は除く

手続き
被保険者が事業主経由で、「産前産後休業終了時報酬月額変更届」を提出


3. 産前産後休業を開始したときの標準報酬月額特例措置の終了

3歳未満の子の養育期間については、育児休業の終了後に報酬が下がった場合でも、特例措置で厚生年金の支給額の計算上は、従前の標準報酬月額が適用される特例措置がありました。

この特例措置は、第2子の産前産後休業期間中の保険料免除を開始した場合、適用が終了となります。但し、3歳未満の第2子を養育する期間については、従前の標準報酬みなし月額が、年金の計算上は継続適用されることになります。図を描いて説明したほうが分かり易いと思いますが、ブログ上では時間がかかって難しいので割愛しますがご容赦ください。

先日のホワイトカラーエグゼンプション制の話でも触れましたが、国として仕組みが整備されていくのは良い展開である一方、実際の職場での環境整備を進めることが並行して求められると思います。出産関連で言えば、中小企業では1人が休業すれば、周りの人たちへの影響が大きいため、周囲を気にして退職される方も、まだまだ少なくないのではないかと思います。

経験を積んだ社員に出産後も働いてもらいたいが、産前産後休業や育児休業中の業務を考えると、どう対応したら良いのか悩む経営者もいるかと思います。人事諸制度の工夫も含めて、休暇中に周囲の社員が進んでカバーし合ってくれるような組織風土を醸成していくことが先決ですが、厚生労働省では、金銭面で支援する各種助成金も用意しています。

自社でも申請できる助成金があるかもしれませんので、一度そちらのほうも確認されることをお薦めします。女性社員の両立支援に関する助成金は、こちらのページをご覧ください。>>>(両立支援助成金一覧)

社会保険労務士の顧問契約をご検討の方は、こちらをご覧ください。>>>社労士顧問契約(概要)

 



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