人事デューデリジェンス

2013年12月25日

基本サービス内容(人事デューデリジェンス)

目に見えない資産である「組織力と人」及び「人を支えるインフラ」を精査します

人事デューデリジェンスで人件費分析 + PMIの優先課題を抽出

PMIのシナリオを実現する組織・人材力を見極める
financial buildings人事デューデリジェンスでは、様々な観点から対象企業の組織と人に関する事項を精査していきますが、基本的には2つの観点から調査・分析を行います。まずは退職給付債務と人件費の分析です。これは買収価格に直接影響を与える項目ですので、当然重点的に調べます。もう一つは、財務以外の定性的な観点からの調査です。人材マネジメントの中心となる人事制度の仕組みと運用の実態に始まり、経営幹部を含む人材の質と退職リスクまで多岐に渡ります。

また、一口に人事デューデリジェンスといっても、案件により精査する範囲や分析の切り口は様々です。株式譲渡か事業譲渡か、あるいは、会社分割かというストラクチャーの違いや、買収者のPMI戦略上、対象会社・事業部門をどう位置付けているのか、組織の統合があるのかないのか、事業部門を買収して新会社を設立するのかなどのシナリオにより、報告する内容は全く異なります。

当事務所では、人事デューデリジェンスの豊富な支援実績で蓄積した知見を最大限に活用し、極めて限られた時間と制約のある情報開示の中で、クライアント企業の意向を的確に把握し、適正な買収価格算定のための基礎情報を提供します。また、買収後戦略の実行力を組織と人の観点から見極め、優先度の高い施策を含めて、最適なアドバイザリーをご提供致します。
 
人事デューデリジェンスの進め方

当事務所では、クライアント企業の要望に応じて、様々な支援形態にて対応しています。また、外資系企業に対しては、英語での報告書作成、経営陣との英語による討議、電話会議等も対応しています。ここでは、人事デューデリジェンスの標準的な進め方をご紹介します。

1. クライアント企業の戦略の確認

どのような経営戦略のもとでM&Aを検討していて、買収後にどのような経営を実行しようとしているのかをヒアリングを通じて把握します。人事デューデリジェンスの実行責任者が必ずしも全てを把握しているとは限りませんが、この段階での理解の深さが分析の質や重点精査領域の決定に影響しますので、可能な限りの情報を共有頂けるようお願いしています。対象企業によるマネジメント・プレゼンテーションが行われる場合は、クライアントの質問を通じて理解をより深めます。


2. 初期データリクエストの作成

買収の狙いとPMIの経営戦略を踏まえ、組織・人事領域で想定される課題を仮説ベースで構築します。構築した仮説がどの程度正しいかを検証するために最も効果的なデータリクエストシートを作成します。必ず開示を依頼するデータ・資料も相当数ありますが、事前に精度の高い仮説を持っておくことで、効果的な情報収集を行うことが可能になります。


3. 開示資料の分析

人に関する重要な情報は、デューデリジェンスの早い段階では、中々開示されないことも少なくありません。案件が成立しなければ機密情報を単に社外流出させたということにもなりかねませんので、売り手側としては慎重になるので当然です。初期の段階は、断片的な開示情報を繋ぎ合わせ、インタビューへ備えることも多いものです。


4. ファイナンシャル・アドバイザーを通じた質疑応答

データルームへの情報開示が始まると、対象企業との質疑応答も始まります。書面による場合と直接インタビューができる場合がありますが、経営幹部と人事責任者へのインタビューは必須事項です。断られても粘り強く依頼を行います。質疑応答でも、より速く欲しい情報を得るためのテクニックがあります。


5. マネジメント・インタビュー

人事役員を含む経営陣へのインタビューでは、経営者の観点に立ってインタビューを進めます。デューデリジェンスの場面とはいえ、会話の中で「同じ人事に携わるプロ同士であるという共感」が生まれるとインタビューも円滑に進みます。細かい話に入る前の段階で、この状態に入るための工夫を凝らします。


6. 情報の分析と報告書の作成

開示資料とインタビューで収集した情報を整理・分析し、クライアント企業の戦略を踏まえた上で報告書を作成します。報告書は、買収価格に影響を与える項目とそれ以外の定性的な項目に分けて行うことが一般的です。


※上記は標準的な進め方のイメージです。案件により、幹部社員層へのインタビューを実施する場合や人件費のプロジェクション支援を行うこともあります。